甥っ子の話しっこ



わぁが高校2年生でったある日、学校がら帰ったら甥の「たか坊」が居間さぽつんと座ってだ。

その時たか坊は8ヶ月。婆様が台所で離乳食ば作ってあった。

「たか坊!遊びにきてらんだな〜」ってわぁが喋ったっきゃ、

「しばらぐ預がるはんで、めごがれや〜」って婆様。

母親が重度のうつ病で入退院ば繰り返してらはんでだそうだ。

その後母親は、年に2〜3回くらい退院する度にたか坊さ会いに来た。

たか坊が4歳さなった頃の夏、母親は半年ぶりにたか坊さ会いに来た。

今までにね〜くらい体調がいいらしぐ、たか坊どゲラゲラ笑いながら遊んでいだ。

午後さなって、母親が病院さ帰ねばまいね時間さなった。

「たか坊、お母さん、そろそろ病院に帰らないといけないのさ。」って母親が涙ぐみながら喋った。

たか坊は母親の腕さしがみついでどうしても離れない。

みかねだ婆様が、「たか坊、お母さんアイス食べたいんだど。たか坊買ってくれば喜ぶよ〜」ってしたっきゃ

「うん、僕買ってくる!お母さん、待っててね」って100円もって走って行った。

その間に母親は車で病院さ向がった。

しばらぐしてたか坊がアイスキャンディーば握りしめで走って帰ってきた。

車がねぐなってら事さ気ぃ〜ついで、「お母さんは?!お母さんは?!」って。。

たか坊はアイスばほおり投げで、道路さ向がって走って行った。

慌てで後ば追って行ったら、たか坊が・・・

「おかあさ〜〜〜ん!!おかあさ〜〜ん!!おかあさ〜〜ん!!」って何回も何回も叫んであった。

婆様も、爺様も、わぁの母親も、わぁも涙が止まらねがったじゃ〜。

その1年後、たか坊はすっかりいぐなった母親さ引き取られでようやぐ家族一緒に暮らせるようになった。

しかしそのまんだ数年後、母親が一人で留守番してあった時に、家が火事さなって亡ぐなってまった。

それがらまんだたか坊は、我が家さ引き取られで中学校ば卒業するまんでいだ。

あの母親さアイスば買ってきた時のたか坊の叫びは、今でも耳がら離れない。

今はもう社会人として立派に働いでるたか坊。

「おめ〜は幸せだ家庭ば築げよ〜」って会う度に心がら思ってる。



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